- 連載
- マンガで事例研究
- 2026.10.01掲載
●管理組合が主体的な対応を
冒頭のような「え!!?」を起こさないようにするために、管理組合が主体性をもって大規模修繕を進めましょう。私が教えていただいた皆様の取り組み事例をご紹介します。
〈修繕委員会をつくる〉
・管理組合内で大規模修繕に取り組む体制として修繕委員会を理事会とは別につくる事例が多くなっています。そこに、冒頭のなりすましが入り込んできて、関係会社に仕事を誘導していくということがありました。そこで、大規模修繕の際に急に委員会をつくるのではなく、常設しておく方法もあります。つまり、管理組合として常に計画修繕を考えることができる体制をとり、大規模修繕時期が近付けば活動開始です。
・なりすまし組合員を防ぐために、「居住して3年以上」という制限を付けて、委員就任を認めている事例もあります。
・委員就任の際には、お互いに、身分証明書等により区分所有者本人であることを確認し合うなどの取り組みがあります。
・管理組合内で大規模修繕に取り組む体制として修繕委員会を理事会とは別につくる事例が多くなっています。そこに、冒頭のなりすましが入り込んできて、関係会社に仕事を誘導していくということがありました。そこで、大規模修繕の際に急に委員会をつくるのではなく、常設しておく方法もあります。つまり、管理組合として常に計画修繕を考えることができる体制をとり、大規模修繕時期が近付けば活動開始です。
・なりすまし組合員を防ぐために、「居住して3年以上」という制限を付けて、委員就任を認めている事例もあります。
・委員就任の際には、お互いに、身分証明書等により区分所有者本人であることを確認し合うなどの取り組みがあります。
なお、マンション内にお住まいの建築のわかる人を活用する方法もありますが、その方が必ずしもみんなを取りまとめていくことに適任とはいえないこともあります。そこで、建築知識の有無にこだわらず、管理組合の目線に立って、専門家と区分所有者をしっかりとつなぐパイプ役としての機能を重視し、建築上のわからないことは、建築士などにしっかりとわかるように説明をしてもらうことが大事ではないでしょうか。
〈設計監理者の選定〉
・大規模修繕は、大きな手術をするようなものです。救急車で運ばれない限りは、いきなり大きな病院には行きません。まずはかかりつけの医者に行き、必要に応じて大きな病院を紹介してもらう。それと同様に、日ごろからマンションの修繕を相談できる相手をもちます。マンションのかかりつけのお医者さんです。マンションによっては、建築士を顧問として置かれている事例もあります。また、マンション管理士が顧問となり、建築士を紹介している事例もありました。行政が建築士を登録し、そのなかから選ぶこともあります。
・大規模修繕は、建物を診断し、長期修繕計画との整合性を確認したうえで、工事の設計や工事監理を行うことになります。そこで、これらの業務を一連の業務とし、長期修繕計画の立案ができる人を設計監理者として選択できるようにしている事例もあります。
・実績を重視する条件にして、自ら実績を提示してもらうことにしている事例もあります。
・いわゆるバックマージンや不適切コンサル等を懸念し、情報管理を徹底する観点から、修繕委員会や理事会の打ち合わせへの参加者を限定した事例もあります。また、専用のメールアドレスを設定し、公募に関する情報へのアクセスを限定するなど、選定過程における情報管理を徹底した事例もあります。
・設計コンサルの選定の決め手となったのは、リピートの業務が多いかどうかでした(当初工事やその後の対応が適切で誠実であればリピート業務は多く、不適切コンサルはそこまでしないだろうというのが理由でした。)
・適正な設計監理料を把握し、極端に低額な提案については、業務内容や体制等を十分に確認したうえで選定することとした事例もあります。
・設計コンサルの選定は、同じ団地内で実績のある3社に声をかけ、管理組合に寄り添ってくれるかどうかを基準に選定しました。
・不適切コンサルを心配し、設計コンサルタントとの契約時に、リベートの授受を行わないことを約束した誓約書を取り交わしました。
・大規模修繕は、大きな手術をするようなものです。救急車で運ばれない限りは、いきなり大きな病院には行きません。まずはかかりつけの医者に行き、必要に応じて大きな病院を紹介してもらう。それと同様に、日ごろからマンションの修繕を相談できる相手をもちます。マンションのかかりつけのお医者さんです。マンションによっては、建築士を顧問として置かれている事例もあります。また、マンション管理士が顧問となり、建築士を紹介している事例もありました。行政が建築士を登録し、そのなかから選ぶこともあります。
・大規模修繕は、建物を診断し、長期修繕計画との整合性を確認したうえで、工事の設計や工事監理を行うことになります。そこで、これらの業務を一連の業務とし、長期修繕計画の立案ができる人を設計監理者として選択できるようにしている事例もあります。
・実績を重視する条件にして、自ら実績を提示してもらうことにしている事例もあります。
・いわゆるバックマージンや不適切コンサル等を懸念し、情報管理を徹底する観点から、修繕委員会や理事会の打ち合わせへの参加者を限定した事例もあります。また、専用のメールアドレスを設定し、公募に関する情報へのアクセスを限定するなど、選定過程における情報管理を徹底した事例もあります。
・設計コンサルの選定の決め手となったのは、リピートの業務が多いかどうかでした(当初工事やその後の対応が適切で誠実であればリピート業務は多く、不適切コンサルはそこまでしないだろうというのが理由でした。)
・適正な設計監理料を把握し、極端に低額な提案については、業務内容や体制等を十分に確認したうえで選定することとした事例もあります。
・設計コンサルの選定は、同じ団地内で実績のある3社に声をかけ、管理組合に寄り添ってくれるかどうかを基準に選定しました。
・不適切コンサルを心配し、設計コンサルタントとの契約時に、リベートの授受を行わないことを約束した誓約書を取り交わしました。
〈施工会社の選定〉
※以下は、実際の管理会社で行われた取り組み事例の一例です。
・施工業者の選定は、談合・不正防止の観点から、公募から見積取得まで設計コンサルは関与させず、修繕委員会とマンション管理士事務所のみで対応しました。
・施工業者決定段階での業者からの質疑回答は設計事務所に回答させましたが、質問している業者名や業者数がわからないように対応しました。
・第三者チェック、セカンドオピニオンをとるようにしました。
・依頼しているコンサルや管理会社とは全く別に見積もりを取るようにしました。複数のルートでとるようにしました。
・施工会社との面談にコンサルを同席させないようにしました。施工会社にしっかりと答えてもらいます。裏でつながっている場合、施工会社が自分で答えられないこともあるからです。
・見積もりは、PDFでなく、エクセルでも出してもらうようにしました。数字が正しいか、単価はどうか。複数の見積書を比較することで、単価や数量、記載内容などに不自然な共通点がないかを確認しやすくなります。表にして比較するなど、見積内容を丁寧に確認することが重要です。
・談合違約金特約条項(国土交通省資料にも記載)、バックマージン禁止条項を契約書にいれるようにしました。
・不適切なことが起こらないように、入札・選定のプロセスを明確化しました。
・管理組合同士の交流会で、具体的な選び方やよかった実例を学びました。
・管理組合は施工会社を金額だけで選ばない等、施工会社の選び方を現場や実際に工事をしている管理組合に聞いて学びました。
・施工会社選定の際は、工事費だけではなく、ヒアリング・プレゼンを通じ、品質、安全管理、現場代理人の能力・人柄を見極めることを重視しました。
※以下は、実際の管理会社で行われた取り組み事例の一例です。
・施工業者の選定は、談合・不正防止の観点から、公募から見積取得まで設計コンサルは関与させず、修繕委員会とマンション管理士事務所のみで対応しました。
・施工業者決定段階での業者からの質疑回答は設計事務所に回答させましたが、質問している業者名や業者数がわからないように対応しました。
・第三者チェック、セカンドオピニオンをとるようにしました。
・依頼しているコンサルや管理会社とは全く別に見積もりを取るようにしました。複数のルートでとるようにしました。
・施工会社との面談にコンサルを同席させないようにしました。施工会社にしっかりと答えてもらいます。裏でつながっている場合、施工会社が自分で答えられないこともあるからです。
・見積もりは、PDFでなく、エクセルでも出してもらうようにしました。数字が正しいか、単価はどうか。複数の見積書を比較することで、単価や数量、記載内容などに不自然な共通点がないかを確認しやすくなります。表にして比較するなど、見積内容を丁寧に確認することが重要です。
・談合違約金特約条項(国土交通省資料にも記載)、バックマージン禁止条項を契約書にいれるようにしました。
・不適切なことが起こらないように、入札・選定のプロセスを明確化しました。
・管理組合同士の交流会で、具体的な選び方やよかった実例を学びました。
・管理組合は施工会社を金額だけで選ばない等、施工会社の選び方を現場や実際に工事をしている管理組合に聞いて学びました。
・施工会社選定の際は、工事費だけではなく、ヒアリング・プレゼンを通じ、品質、安全管理、現場代理人の能力・人柄を見極めることを重視しました。
などがあります。こうした工夫で、ぜひ、管理組合主体で進め、不適切な業者が入り込まないような体制をつくっていただければと思います。
●大規模修繕を通じてより素敵なマンションに
大規模修繕は、管理組合の中の理解を深め、専門家との新たな連携を作り、皆さんのマンションをもっともっと素敵にする機会です。そして、社会的な陳腐化を迎えないために、外壁の色の見直し、エントランスの改修、毎日使うポストの改修、エレベーターの美装など、快適で気持ちよいマンションにしていけるチャンスでもあります。ぜひ、管理組合の皆様が一人でも多く、マンションの管理、大規模修繕を自分事として捉えていただける、取り組みをしていただきたいと思います。住んでよかったと思えるマンションに、皆様と一緒にしていきましょう。
Profile齊藤 広子
横浜市立大学名誉教授。東京都市大学特任教授。学術博士、工学博士、不動産学博士。
専門は住まい学、住環境管理学、
居住のための不動産学。研究テーマは、マンションの管理、住宅地の住環境マネジメント。日本マンション学会研究奨励賞、都市住宅学会論文賞、日本不動産学会業績賞、日本不動産学会著作賞、不動産協会優秀著作奨励賞、日本建築学会賞、都市景観大賞優秀賞、グッドデザイン賞等受賞。
著書に『新・マンション管理の実務と法律』(共著・日本加除出版)、『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上がる住宅地』(学芸出版社)、『初めて学ぶ不動産学』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。
著書に『新・マンション管理の実務と法律』(共著・日本加除出版)、『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上がる住宅地』(学芸出版社)、『初めて学ぶ不動産学』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。













