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  • 2026.10.01掲載

大規模修繕は管理組合が主体で!

横浜市立大学名誉教授/東京都市大学特任教授 齊藤広子

え!!? 大規模修繕の仕事をとろうとして施工会社の人が区分所有者になりすまして修繕委員会にはいっていた!!?? 
え!!? 大規模修繕の設計監理をしていたコンサルタントがキックバックをもらっていた!!?? ついでに、施工会社が談合していた!! 
誰を信じればいいんだ! そうだ! 大規模修繕なんかやめてしまおう。そうすればだまされなくていいんだ! そもそもどこも壊れていないし・・・。


●大規模修繕はどのマンションでも必要

 大規模修繕はどのマンションでも必要です。やめるなんて言わないでください。修繕には、大きく分けて2つあります。経常修繕と計画修繕です。経常修繕とは、どこかが傷んだり、故障したときなどに対応する日常的に行う小規模な修繕や、緊急時の対応による修繕です。
 一方、計画修繕とは、マンションで安心・安全に暮らすために、また、長持ちさせるための傷みの予防や、傷んだところの早期対応を適切に行うものです。計画修繕において、外壁や屋上防水などの大規模な修繕は、一定の周期で必要となります。おおむね12~15年に一度実施することになります。2、3回目の大規模修繕になると、1回目には必要がなかった新たな箇所の修繕が必要となる場合があります。例えば、給排水管の取り換え、エレベーターの電気関係設備の取り換え、駐車場の見直し、場合によっては社会的な条件の変化から、新しい機能を持ったものを整備することが求められるかもしれません。例えば、マンションエントランスにオートロックドアの整備、宅配ボックスの整備、EV(電気自動車)対応の充電設備など。こうして、建物が劣化しないように、陳腐化しないように、区分所有者みんなで大規模修繕を行うことが必要です。つまり、大規模修繕の実施は大事な管理組合の仕事になります。
 あわせて、2012年夏号もぜひお読みください。

●大規模修繕工事の進め方 設計監理方式と責任施工方式

 大規模修繕工事は、いきなりできるものではありません。長期修繕計画に基づき、計画的に実施する必要があります。建物を診断し、傷みを把握して、どこにどのような修繕をするのかを決めます。
 工事の進め方に、設計監理方式と責任施工方式があります(図表)。責任施工方式は、管理組合と施工会社とが工事設計から施工までを一括して契約する方式です。設計監理方式は、工事設計を施工会社から切り離して設計事務所などの専門家に委託し、そのうえで、施工会社が契約どおりに工事を実施しているかどうかの監督をしてもらう方式です。それぞれにメリット・デメリットがあります。管理組合としては、それぞれの方式の特徴を理解したうえで、マンションの状況に応じた適切な方式を選択することが重要です。
 設計監理をする人は、主には建築士等の設計事務所、管理会社(事務所登録をしている場合)があります。建築士の場合は、建築の技術がわかっても、マンションの管理組合の運営や、新築は得意でも修繕の経験が少ない場合もあります。マンションの大規模修繕の経験があるところをしっかりと選んでください。管理会社の場合は、日頃からマンションの状況や管理組合の運営状況を把握しているというメリットがあります。一方で、工事の発注方法や契約内容等によっては、利益相反を懸念する意見もあります。そのため、管理組合は管理会社を含めたさまざまな専門家の特性を理解し、必要に応じて多様なルートから情報を収集・比較しながら検討してください。マンション管理士が関与される場合もありますが、建築の知識や技術を持っている人ばかりではありません。よって、マンション管理士で建築士である方、あるいは建築士がマンション管理士とペアになるなどし、お互いの知識を補う形での対応が必要となります。こうした設計監理者が総称でコンサルタント、コンサルと呼ばれています。

 なお、コンサルタントという言葉をもっと広義で使っている場合もあります。設計監理方式で、設計監理者とは別にセカンドオピニオン的に関与する場合、責任施工方式で施工者選定と事業の運営をコンサルタントする場合などもコンサルタントと呼ばれています。

■図表:設計監理方式と責任施工方式~それぞれの方法とメリット・デメリット

設計監理方式と責任施工方式~それぞれの方法とメリット・デメリット