- 連載
- マンガで事例研究
- 2026.04.01掲載
●玄関ドアの改良は管理組合で
共用部分である玄関ドアの改良は、管理組合が行うことになります。その方が、統一感があり、勝手に質の低い、防火上問題となるドアになったりすることを防げます。各部屋(住戸)でバラバラに交換するのは、非効率的で景観にもよくありません。そこで、標準管理規約(単棟型)では表-2のように、規定しています。
冒頭の方は、勝手に玄関ドアを交換してしまったようです。リフォーム工事は管理組合に届け出て、許可をとってくださいね。勝手なリフォーム工事をしてはいけませんよ。建物を傷め、生命が危険となり、美観を損ねることがあります。
表-2 玄関ドア等の改良(標準管理規約〈単棟型〉)
第22条 共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。
●専有部分でも管理組合が一括して管理してくれないの?
共用部分は管理組合が対応できるけれど、例えば、専有部分の給排水管などは、管理組合が一緒に修繕してくれないの? といった需要が高まっています。表-1の波線のところをみてみましょう。わかりにくいかもしれませんが、一般的には、排水管の竪管は共用部分、住戸内の床にある管(横引き管などとよぶ)は専有部分になります。専有部分と共用部分といっても実際には一体になっており、共用部分の配管の取り替えなどをする際に一斉にしたほうが、各住戸の水漏れを防ぐことができ、効率的でかつ経済的です。しかし、管理組合は専有部分には関与できないのでは?という心配もありました。
そこで、2025年5月の区分所有法改正で、共用部分の管理のため必要な場合に、管理組合が、共用部分と構造上一体となった専有部分の設備(例:床スラブを貫通する境界部分の配管)の工事を行えるように明記されました。
標準管理規約(単棟型)では表-3のように規定されています。また、第21条関係コメント⑦で「共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられる。その場合には、あらかじめ長期修繕計画において専有部分の配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定するとともに、先行して工事を行った区分所有者への補償の有無等についても十分留意することが必要である」とあります。
修繕積立金から費用を負担する場合は、規約で明記し、総会での決議が必要でかつ、すでに各自で修繕を実施した人への金銭的な配慮が必要です。そこで、一緒に工事をしながらも、費用は各住戸で負担するという考え方もあります。長期修繕計画の中に位置づけて、ぜひ計画的に取り組んでいきましょう。
表-3 専有部分を共用部分と一緒に管理する場合(標準管理規約〈単棟型〉)
第21条
2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の保存行為等(区分所有法第 17 条第3項の「専有部分の保存行為等」をいう。以下同じ。)を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、総会の決議を経て、管理組合がこれを行うことができる。
●お互いに気持ちよく暮らすために
快適に暮らすためにリフォームをすることはとても素敵なことです。しかし、マンションでお互いが快適に暮らすためには、ルールがありますので、ルールを確認しましょう。そして、管理組合は一度つくったルールに縛られるのではなく、見直すことも大事です。技術は進歩していますし、社会的な水準も変わってきています。バリアフリー化や省エネ対策など、ぜひ、マンションにお住まいの方々のために前向きに検討してみましょう。
あなたのマンションをもっと素敵に、もっと快適にしていきましょう!!
Profile齊藤 広子
横浜市立大学名誉教授。東京都市大学特任教授。学術博士、工学博士、不動産学博士。
著書に『新・マンション管理の実務と法律』(共著・日本加除出版)、『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上がる住宅地』(学芸出版社)、『初めて学ぶ不動産学』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。













