トップページ > 特集 > 集合住宅での日本人と外国人との共存・共栄 ~どのようにコミュニケーションをとればよいか~
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  • 2011年夏号

マンション居住者の〝高齢化〟を考える

●相手(外国人)の話を聞く

生活ルールの伝達やマナー違反を注意する際は、「郷に入っては郷に従え」という口調で一方的に話すのではなく、相手(=外国人)の話や意見に耳を傾けることも大切です。

これも団地自治会の例ですが、外国人が自治会に入らず困るということで話し合いの場を持ったところ、「外国には自治会がない」ということがわかり、日本人のほうが逆に「自治会とは何か」を最初に説明する必要があったということに気付かされました。

「あなたのお国では、どうなっていますか?」と尋ねることで、意外な外国の文化を知る楽しみが生まれます。相手の話に耳を傾けることで、日本人も自分たちのことを理解しようとしてくれると感じて、お互いの関係性が良くなったという話があります。まさにこれが「相互理解」であり、「異文化交流」というわけです。

●連絡文書には日本語と外国語を併記する

外国人からよく聞くのは、自分はきちんとゴミを捨てているのに、日本人の先入観から「このゴミの原因は、あの外国人に違いない」と決めつけられたという体験です。

特に「○○をしていけません」というような注意文書を外国語だけで作成するというのは、外国人の立場からすると、トラブルの原因は外国人にあると決めつけていることと同義になります。管理組合としては親切で翻訳しているつもりでも、受け取る側からすると不平等感があります。実際、トラブルの原因は日本人かもしれないのですから、連絡文書等を作成して貼り出すような場合には、必ず日本語と外国語を併記するように心掛けます。

●お役立ちツールを活用する

外国人にとっては、日本語よりも母国語のほうがわかりやすというのは当然ですが、マンション管理組合が外国語で対応するのは難しい。そこで活用したいのが、既に自治体や業界団体が作成している多言語の情報提供ツールです。


また、外国人が多い自治体ならば役所に外国人相談の窓口があります。国際交流協会がある地域もあります。これらの窓口や協会へ相談してみるのも一つの方法です。