トップページ > 連載 > マンガで事例研究 > 窓を利用し、エコライフの実践
  • 連載
  • マンガで事例研究
  • 2014.04.01掲載

窓を利用し、エコライフの実践

明海大学不動産学部教授 齊藤広子

◆緑のカーテンへの取り組み

窓を使ってのエコライフの実践には、夏の緑のカーテンがあります。朝顔やゴーヤなどのツル性の植物でカーテン状のものを形成し、窓やベランダ、壁面などを覆うものです。太陽の熱を遮断するため、室内の温度を下げる効果があります。さらに、緑のカーテンが窓を開けることを促進し、より効果が上がっています。

では、緑のカーテンをやってみたいなと考えている人も多いと思うのですが、ベランダでどんな風にすればまわりに迷惑をかけないで、効果的にできるのか。いざという時の避難経路だから勝手にできないし、水をどのように流せばよいのか。めんどうだな……まあ、今年はいいかと、結局は実現できないままになっていることもあるのではないでしょうか。

そこで、マンションの中で、イベントとしてやってみるのはいかがでしょうか。希望者にプランター、苗を配布し、育て方を教えます。みんなですると、周りへの迷惑をかけない方法も教えられますし、各自が周りへの配慮を理解できる機会にもなります。事前にアンケート等で希望者を募り、緑のカーテン教室を開催してみませんか。

◆エゴにならないようにエコを

各自がエコのつもりで取り組んでいても、知らないうちに周りに迷惑をかけ、エゴになっていることがあります。マンションはお互いを思いやり暮らすところですが、具体的に自分のやっていることがどのように周りに迷惑をかけるのかがわからないこともあります。

せっかくのエコへの取り組みをエゴにしないために、ぜひ、管理組合で環境に配慮した暮らし方に取り組んでみましょう。

齊藤 広子 Profile
齊藤 広子
明海大学不動産学部教授。工学博士、学術博士。
(一社)マンション管理業協会「マンション長寿命化協議会」座長

専門は住まい学、住環境管理学、 居住のための不動産学。研究テーマは、マンションの管理、住宅地の住環境マネジメント。日本マンション学会研究奨励賞、都市住宅学会論文賞、日本不動産学会業績賞、日本不動産学会著作賞、不動産協会優秀著作奨励賞、日本建築学会賞等受賞。
著書に『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上る住宅地』(学芸出版社)、『住まいと建築のための不動産学入門』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。