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  • 2014.10.01掲載

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発足から1年、「尼崎マンション管理組合ネットワーク」

日々の管理から老朽化に伴う修繕や建替えまで、マンション管理にまつわる問題は年々多様化し、マンション管理組合が果たす役割の重要性が増しています。マンション管理組合が会員となる組織が各地で設立され、相互協力のネットワークが確立されてきました。その中でも特に自治体や公共団体とともに、地域に根付いた活動をしているマンション管理組合ネットワークを取り上げるこのシリーズ。今回は、「北海道マンション管理組合連合会」を取り上げます。

◆横のつながりを求めて

北海道マンション管理組合連合会会長の瀬野尾嘉明氏 「北海道マンション管理組合連合会(以下、道管連)」は、マンションという住居形態が普及し始めた今から30年以上前の昭和58年に発足しました。当時、一部のマンションで屋上や給排水などインフラの瑕疵問題に直面し、住民だけでの解決は難しいと、横のつながりを求めて管理組合同士が一致団結したのがきっかけだったそうです。

発起人は札幌市内のマンションを調査して、2年の歳月をかけて台帳をつくり、それをもとに連絡を取り合って、14名の有志が集まりました。当初は小さな団体でしたが、当時マンション管理組合のネットワークは全国的にも珍しく、先駆的な取り組みだったといえます。

現在は役員20名、会員数は平成25年度末時点で388会員。うち札幌市内の会員数は301会員で、旭川と小樽に支部があります。主な活動は年1回の総会、月1回の役員会をはじめ、相談事業、セミナー等派遣事業、広報・調査研究事業などがあります。

特に力を入れているのが相談事業で、10年以上のスキルを持つマンション管理士による一般相談は毎週月曜日から土曜日、一級建築士による技術相談は週1回、弁護士による法律相談は月1回、会員ならば年6回まで無料で受け付けています。年間の相談件数は毎年1,300件を超え、好評を博しています。

平成25年度相談件数一覧

◆北国ならではのマンション事情

道内のマンションは、そのほとんどが札幌市内に集中しています。札幌市のマンションは平成20年時点で推定3,550棟、164,000戸(1棟あたり平均約46戸)。市全体の世帯数が985,370世帯なので、約17%がマンションに居住していることになります。30戸以下のマンションが全体の4割以上と小規模マンションが多いのが特徴ですが、最近は20階建て以上のタワーマンションも増えつつあります。

また、北海道といえば雪が多く長い冬期の生活なしには語れません。札幌市は毎年5m前後の降雪があり、日々の除雪作業の大変さからその必要のないマンション暮らしを選択する人も多いそうです。

管理組合にとっても、除雪や排雪は重要な業務となっています。通路の除雪は灯油を利用したロードヒーティングが主で、灯油価格は管理組合の大きな関心事でもあります。

降雪と気温の関係で灯油使用量が大きく変動することから、予算の立て方が難しく、冬期になると降雪量と気温、灯油価格の変動に管理組合は一喜一憂するそうです。道管連でも、会員同士共同で灯油を購入することによって、市価よりも安く各管理組合に提供するなどしています。

◆公益社団法人へ

30年以上前に、たった14人から始めた道管連ですが、平成4年には社団法人に、さらに25年には公益社団法人に認定されました。

各関係機関とも積極的に連携を深めており、行政機関と共催のセミナーを年10回行うほか、札幌市と協力して地域内の交流促進に係る取り組みに参加したり、シニア支援プログラム事業の一環である地域ネットワーク会議に参加して高齢者の雇用促進に協力したりと、様々な方面で活躍しています。

社団法人から公益社団法人へと移行したことについて事務局長の町田信一氏は、「社会的な使命感からより公益性の高い公益社団法人となりましたが、組織としてのステイタスはもちろん、会員の皆さんからも一層信頼していただけるよう、努力していきたい」と語ってくれました。

セミナーの様子 見学会の様子 年4回発行の「マンション連合会だより」。ほかに年7回発行の「道マンション連合会通信」もある