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  • 2010年春号

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明海大学不動産学部教授 齊藤広子

◆考えてみよう自転車置き場の使い方

必要な台数を把握しましょう。
登録制度で必要な自転車、バイク、子供用の自転車などが把握できます。駐輪スペースをバイク用、大人用自転車用、子供用自転車用にわけます。スペースが本当に足りないのかを確認し、その結果、必要に応じて、自転車置き場の増設や、2段式にすることを考えましょう。

これを機に、共用自転車の導入を検討してみるのもいいですね。ヨーロッパでは、街中に共用自転車が置いてあり、乗り降り自由で素敵だなと思いました。マンションに共用自転車があれば、年に数回しか使わない自転車を買う必要がなくなるので、経済的かつ効率的で、まさにマンションならではです。

◆きれいにしよう自転車置き場

せっかくきれいにした自転車置き場。これを維持することが大事です。そこで、シールのない自転車には警告文をすぐにつけること、また、1~2年に一度の定期的な登録制度で、常に必要な自転車の確定をしておきましょう。

防犯対策に、防犯カメラの設置もありますが、「管理組合登録シl ルを貼った自転車以外は駐輪禁止」「自転車盗難見回り強化中」の掲示、そして何よりも、きれいに使うことや居住者が声を掛け合うことで犯罪を防げます。

私が訪問したマンションでは、警告の紙を色別にし、イエローカードと、レッドカードにして段階的に警告をしていました。

皆さんのマンションでも、不法駐輪にレッドカードを出し、居住者みんなで駐輪場をきれいにしていきましょう。

Profile
齊藤 広子
明海大学不動産学部教授。工学博士、学術博士。
(一社)マンション管理業協会「マンション長寿命化協議会」座長

専門は住まい学、住環境管理学、 居住のための不動産学。研究テーマは、マンションの管理、住宅地の住 環境マネジメント。日本マンション学会研究奨励賞、都市住宅学会論文 賞、日本不動産学会業績賞、日本不動産学会著作賞、不動産協会優秀著 作奨励賞、日本建築学会賞等受賞。
著書に『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価 値が上る住宅地』(学芸出版社)、『住まいと建築のための不動産学入門』 (市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出 版社)など多数。