マンションライフ部門特別賞高齢者対応部門佳作
シニアの会があってよかった

パークフィーネ南大沢シニアの会
田中俊雄様

背景

パークフィーネ南大沢は、2002年築、14階建て6棟構成、総戸数452戸の大規模マンションです。ファミリー世帯が多く、元気な子どもたちの声が溢れる活気あるマンションですが、同時にシニア層も一定数入居しています。管理組合と直結した組織として、コミュニティを促進するフレンドリークラブもありました。
入居してしばらくしたころ、顔見知りになった住人数人で、「シニア層にとっても居心地がよい空間や、新しい交わりが生まれるような機会がほしいですね」と話したのを機に、シニアの会を立ち上げることにしたのです。

目的

パークフィーネ南大沢はファミリーが多く住むマンションで、シニア層にとっても居心地のいい「自分たちの居場所をつくろう」というのが目的です。より豊かなマンション生活を楽しみたい人が賛同してくれました。

実施内容〈バリューアップ〉

「シニアの会」発足

全戸に呼びかけ文をポスティングしところ、20名が賛同。仕事を分担し準備した設立総会兼初めての交流会には、39名が参加してくれました。「シニアの会」と命名し、みんなで多くの思いやアイデアを出し合いました。役員を決めるが、行事に参加できる人も一緒に考え、実行すること。いろんなことをやって、そのなかから自分が気に入ったものに参加できるようにすること。気軽に参加できるようにするため、行事に「欠席届」は要らない等々……。

シニアの会の概要

シニアの会は管理組合直結の組織ではありませんが、公認の任意団体です。施設の使用料や会の運営に関わる書類のコピー代などは無料、掲示板も利用できます。また、会の活動予算は市からの補助金（今年度予算391,200円）、会員からの年会費（一人600円）と行事参加費（概ね500円、今年度予算260,000円）が中心で、管理組合からの補助金はありません。

主な活動内容

公園緑地めぐり…役員だけでなく世話人の奮闘もあり、時には事前の下見を買って出る会員もいて、毎月の定例会は今も続いています。
歩こう会…毎週２回、定時に集まった人だけが、近くの公園でウォーキングしています。
名画名舞台鑑賞会…月1回の開催。「アナ雪」を上映した時は、可愛い幼児とお母さんの来訪もあり会場は満席となりました。夏には、参加者全員で「150回」を和菓子とお茶で祝いました。
登校見守り…PTA会長が孤軍奮闘で児童の見守りをしていたのを、会員の1人が見かねて支援していたことから、シニアの会で毎朝登校時の児童を見守ることに。長年の活動が認められ、教育委員会から感謝状が届いたほか、今春は市で初めての「安全運転見守り隊」に委嘱されました。
合唱団「うたおうよ」…マンションのお祭りで舞台のトリを務めるのが定番に。
お正月遊び…毎年お正月には、子どもたちを相手にコマ回しや羽子板などの昔遊びを指導するのが恒例になっています。
各種教室…スポーツジムで太極拳をマスターした会員が、週1回の太極拳教室の師匠をする「太極拳教室」、ドイツ語の先生が定年退職したのを機会に始まった「ドイツ語教室」など、会員の持つマンパワーを生かした各種教室を開催。現役時代の専門や体験を会員が披露する講演会も何度も開催しました。ドイツ語教室から派生して、オリンピックの語学ボランティアにも会員から４人が応募したと聞いています。

結果

会員は設立時の3倍を超え、昨年度開催した行事はのべ731回。参加者は延べ3,700人でした。シニア層が活き活きとして生活を楽しみ元気に活動していることが、マンションの価値を高めていると自負し、会のさらなる発展を試みています。
管理組合との関係も良好です。シニアの会の総会や交流会には、理事長以下役員数名が来賓として参加します。また、管理組合の外部団体（団地組合連合会）の役員や地域学校運営委員、学校安全ボランティア等として会員が参加し、活動しています。