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  • 2014.04.01掲載

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1970年代のマンションを蘇らせる!

1970年代には、マンションブームが起こり、たくさんのマンションが建設・供給されました。

今回は、1970年代に建設・供給されたマンションを現代に合わせてリノベーションし、快適なマンションライフを送っている事例をご紹介します。

◆築年数より立地条件で決断(Tさんの場合)

ご結婚を機に、通勤がしやすく実家にも近いエリアで家探しを始めた30歳代のTさんご夫婦。見学を重ねた末、広島市の中心部に近い築40年の中古マンションを購入され、リノベーションを行うことになりました。

物件探しの以前からオープンルームや相談会などでリノベーションについて勉強され、「規格化、パターン化された新築の物件ではなく、自由設計で住空間に自分らしさを表現できる」「同じエリア内で新築マンションを購入するより安く抑えられる」リノベーションに魅力を感じて購入を決断されました。

◆生活スタイルに寄り添った空間づくり

お気に入りのソファーに座りながら壁いっぱいの100インチスクリーンで映画を楽しむことができます リビングは2人の趣味である映画鑑賞ができるよう、正面には100インチのスクリーンを天井内に設けています。背面にはプロジェクターを置くための棚を用意しました。

ワンルームになるリビングとダイニング。天井は貼らずに躯体や配管を白く塗り、すっきりとした印象に仕上げています。
リビングとダイニングの間仕切りは4枚引き戸とし、閉めればホームシアターとして利用できます。また、開ければリビング、ダイニングがワンルームとなり、広々とした空間を楽しむことができます。

◆こだわりのキッチン

木のカウンターが印象的なダイニング 「対面キッチンにしたいけど料理中の手元は見せたくない」という奥様の希望から、キッチンカウンターを造作しました。木を使うことにより温かみのあるダイニングとなりました。

白を基調としたオリジナルキッチン。作業台とレンジフードはメンテナンスのしやすいステンレスのヘアライン仕上げとしています。
キッチンはオーダーキッチンをご選択。
天板はステンレスのヘアライン仕上げとし、引出の面材は部屋の内装と合わせて白で統一。
作業台の前面にはメンテナンスに配慮し、モザイクタイルを使用しました。

◆自転車のおける土間玄関

自転車の置けるモルタルの玄関土間。正面の壁の上部はガラスとし、リビングがの天井が見えています。扉を開けると視線が抜けることで空間の広がりを感じることができます。 玄関は2人が大切にされている自転車の置ける広い土間スペースを用意しました。玄関扉はアクセントとして旦那様の好きな赤に塗装。さらに、正面の壁の上部をガラスとすることで、明るく、広がりのある玄関としました。玄関を広くすることで家全体が広く感じられます。

◆スッキリとコンパクトな収納スペース

図面 以前はリビングと寝室を行き来できたクローゼットを、それぞれの部屋を削りつつ子供部屋に。寝室の収納が減った分、子供部屋の裏に収納スペースを設けた できる限りスッキリとした空間で暮らしたい。「モノはあまり持たない主義なので、収納スペースも最小限で」との要望があり、収納スペースは分散せず、ひとまとまりのスペースを要所に設ける計画としました。

・パントリー
冷蔵庫、食器、電子レンジ等がすべて置けるパントリースペースをキッチンの背面に設けることで、キッチンもスッキリした印象に仕上げました。

・ウォークインクローゼット
ご夫婦の衣類や日用品の収納スペース。枕棚の代わりにパイプ棚とし、洋服やネクタイ、鞄など何でもかけられるよう工夫しています。

◆安心して住み続けていただくために

設備配管が古いままでは漏水や省エネに不具合が生じてしまいます。Tさんの場合、設備を含めたフルリノベーションを行い、専有部の配管、をすべて更新しました。また、スイッチやコンセントもヒアリングを行い、使いやすい適切な位置に設けています。

また、下階の住戸への防音を配慮し、L45の遮音性能が確保できるフローリング材を採用しました。お客様が長い時間、心地よく住み続けていただくのはもちろん、周辺の環境を良くすることもリノベーションの役割と考えています。

Profile
株式会社 SMART ONE DESIGN 

広島でのリノベーションを牽引。リノベーションの企画・設計・施工までを手掛ける。戸建住宅からマンション・店舗等、幅広い実績をもとにお客様それぞれにとっての価値を創造する。。