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  • 2017.01.04掲載

◆契約内容の相互理解のために

 マンションを巡る課題は山積しています。計画的な修繕や耐震化促進、高齢者ニーズに対応した居住者サービスの提供など、早い段階から将来を見通した適切な対応、体制づくりが、管理組合、管理業者双方にとって不可欠です。

 その中で、今年特に注力したいのがマンション標準管理委託契約書の改訂です。標準管理規約の改正で、管理組合の業務に「防災」が初めて定められました。管理組合の重要な業務については改めて標準管理委託契約書に反映させ、個別の契約の中で管理業者が適切に実施することが求められます。現行規定の曖昧さもあって、管理組合の期待と管理業者が担う負担に大きな乖離があるケースも見受けられます。それらの業務を一つひとつ点検し、仕様を明瞭・明確化させ、契約内容に関する相互理解を高めることで、マンション管理業務の「品質の向上」を図っていきたいと思います。

◆「マン活」支援と認知症の啓発

 また、管理組合活動の支援体制も引き続き強化します。昨年12月に「マン活トレンド発表会2016」を実施しました。800通を超える応募があった「マンションいい話コンテスト」の表彰式、横浜市立大・齊藤広子教授による「マン活成功事例の紹介」に加え、初めて「認知症になっても長く住み続けられるマンション」をテーマとしたミニドラマ上映と専門家による講演会も行いました。マンションの認知症高齢者対策は17年以降の協会の最重要テーマの一つと位置付け、正しい理解の啓発に努めてまいります。

 このほか、建物の高齢化に対する取り組みとして、来年度にかけて立地、築年数に応じたマンションの再生・長寿命化に向けた処方箋「リ・デザインモデル」の提案を、また、インバウンドの対応として昨年発行したマンガ版マナーブック(日本語、英語)に続き、マンション内で使う掲示物の英語版の作成にも着手します。昨秋は北京市から20数人の訪日研修団の視察を受け入れる一方、会員会社の若手向け海外研修(中国・大連)も実施しました。国際交流などを通じて、業界の人材育成にも力を入れてまいります。

◆新モニタリングを徹底運用

 新しい年を迎えたことに際し、あらためて申し上げますが、管理会社の法令遵守の徹底と、コンプライアンス体制の整備は、業務の基本中の基本です。管理組合の財産毀損事故を防止するため、引き続き会員会社に対する新モニタリング制度の徹底運用を図ります。

 このようにマンション管理は今、様々な事情を抱えています。管理会社は、常に管理組合に寄り添う最も身近なサポート役として、時代の変化に適合していかなければなりません。そのため、マンション居住者やそれを支える管理会社にとって、実効ある施策の実現に向けて力強い活動を展開してまいります。

 最後になりましたが、会員の皆様のご活躍と、当協会のさらなる発展のため、引き続きご支援とご指導をお願い申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。