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  • 2013年冬号

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明海大学不動産学部教授 齊藤広子

◆建替えないといけないの?

え?? IS値が0・5だって!?

それってこの前のセミナーで「大きな地震が来たら倒壊又は崩壊する危険性がある」っていっていた数字じゃないの?

もう建替えないといけないのかな? でも、まだ、築32年でしょ。35年ローンで買った人もいるし……。それに、最近、このマンションの緑が多く、気持ちがいいって、若い人も引っ越してきているし……どうすればいいんだろうか!!

◆旧耐震基準

マンションで「1981年以前につくられたものは旧耐震基準のものなので、耐震診断をしてください」とよくいわれますね。では、旧耐震基準って何でしょうか。

1978年の宮城県沖地震を受けて1981年に建築基準法施行令が改正され、地震により強くなるように建物をつくる基準が変わりました。

新しい基準にそってつくられたものを新耐震基準によるものとしており、それ以前のものを旧耐震基準によるものとしています。ですから、旧耐震基準でつくられたマンションに耐震性能が低いものが多い可能性があります。

さらに、旧々耐震基準という呼び方をすることがあります。これは、1968年の十勝沖地震の被害を踏まえ、1971年にも 建築基準法施行令を改正し、鉄筋コンクリート造建物の基準を強化しています。そこで、1971年以前につくられた建物は、旧の旧の基準ということで、旧々耐震基準と呼ばれ、さらに耐震性能が低い可能性があります。

◆IS値

しかし、必ずしも建てられた時期によって耐震性能が低いとは限りません。そこで、耐震性を示す一つの基準として、IS値と呼ばれるものがあります。これは、構造上の耐震性を示す指標で、地震力に対する建物の強度、靱性(じんせい:変形能力、粘り強さ)を考慮し、建築物の階ごとに数値を算出します。「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」では、震度6~7程度の規模の地震に対するIS値の評価を次のように定めています。

IS値0・6以上
●倒壊又は崩壊する危険性が低い
IS値0・3以上0・6未満
●倒壊又は崩壊する危険性がある
IS値が0・3未満
●倒壊又は崩壊する危険性が高

◆耐震診断の仕方は?

改修前・改修後 では、耐震性をどのように診断すればよいのでしょうか? 診断には簡易診断と精密診断があります。

簡易診断では柱と壁の断面積から強度を略算して、建物の耐震性能を評価する方法です。

精密診断は柱と壁のコンクリートと鉄筋の影響を考慮して建物の耐震性能を評価する方法です。さらに、コンクリートの圧縮強度・中性化等の試験、建物の劣化状態(ひび割れ・漏水・鉄筋錆・コンクリート爆裂)などの調査も行われます。

どちらも基本的に図面が必要になってきます。