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  • 2022.07.01掲載

団地って何?

横浜市立大学国際教養学部教授 齊藤広子

 うちのマンションのこと、「お宅の団地では……」と言われたけれど、団地じゃないのよね。団地というのは、うちのバス停の前にある、5階建てでエレベーターのないあの建物群のことだよね。なんで、マンションじゃなくて団地って言われたんだろう?ちょっと違う気がするのだけれど…。


●団地って何?いつからできたの?

 団地と言われて、戸惑っているようですね。確かに、県営住宅、市営住宅、UR(独立行政法人都市再生機構)の賃貸住宅などは一般的に団地と呼ばれています。団地とは、計画的に建物を一定のエリアに集中して配置された「集団住宅地」の略で、1955年(昭和30年)につくられた日本住宅公団(現在のURの前身)により、全国に広がっていきました。この時代、日本では住宅不足だったこともあり、大量に早く住宅を供給する必要があったことから、同じような建物が次々に建てられました。当時はエレベーターが高額だったこともあり、エレベーターがなく、工場で仕上げた部材を現地で組み立てる工法で建てられたものが多くありました。また、計画的に住棟を配置し、集会所や生活をサポートするヘルパー()を配置するなどの試みが行われました。

国民が集合住宅居住に慣れていないために、生活指導を行う専任の管理員制度をイギリスから学び、
導入していた。

●マンションの団地って?

 マンションでも「団地型」があります。マンションでは、2棟以上のマンションを「団地型」としています。区分所有法第65条に団地の規定がありますので見てみましょう。
 「一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下「団地建物所有者」という)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる」と規定されています。
 団地建物所有者は、その共有する団地内の土地または附属施設を共同で管理をするために、団体を構成します。この団体を通常、「団地管理組合」と呼んでいます。この考え方は「単棟型」と同様です。管理の対象物は、団地内の土地、附属施設および専有部分のある建物の共有にあるものです。なお、団地管理組合の管理範囲を共有の部分に限定せず、規約で広げることもできます。管理組合の規約、集会、管理者の考え方は「単棟型」と同じです。

●団地型マンションの管理はどうするの?

 団地型のマンションは具体的にどのように管理をするのでしょうか。
 実際には多様な形の団地が存在しますが、ここでは、次の3つのケースで見ていきましょう。

<ケース1>:各棟は区分所有、土地は全棟で共有
<ケース2>:各棟は区分所有、土地、集会所の建物は全棟で共有
<ケース3>:各棟は区分所有、各棟の土地は棟ごとに共有、集会所の建物と土地は全棟で共有

 そして、団地型マンションでは、大きく3つの管理の方法があります。

Ⅰ(全体型): 団地管理組合のみで対応し、棟別管理組合という考え方がありません。会計は基本的には団地全体で1つですが、修繕積立金には棟別会計がある場合があります。標準管理規約の「団地型」の考え方です。
II(棟型) : 棟別の管理組合のみで対応します。団地全体という考え方がありません。会計は基本的には棟別での会計です。
Ⅲ(全体型+棟型): 棟別管理組合で対応し、団地共用部分のみ団地全体で話し合い、対応します。会計は団地全体と棟別の会計があります。例えば、団地全体で使える集会所に関することについて団地管理組合で対応するなどです。

 では、土地・建物および共用施設(集会所)の配置・所有の状況に照らして管理の形態について見ていきましょう。前記<ケース1>では前述の「全体型」、「棟型」が可能です。<ケース2>では「全体型」、「全体型+棟型」が可能です。「全体型+棟型」の場合、集会所に関することのみ全体で対応することになります。<ケース3>も「全体型」、「全体型+棟型」での対応が可能です。「全体型+棟型」の場合、集会所に関することのみ全体で対応することになります(図「団地型マンションの事例」参照)。

出典:齊藤広子、篠原みち子、鎌野邦樹(著)「新・マンション管理の実務と法律 高齢化・老朽化・耐震改修・建替えなんて怖くない!」(日本加除出版株式会社)より抜粋・編集

 なお、全体管理になっていても、基本は棟別に対応すべきものがあります。義務違反者に対する措置、復旧および建替え等がそれにあたります。