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  • 2018.10.01掲載

マンションの健康診断

横浜市立大学国際総合科学部教授 齊藤広子

●管理組合の運営状況も点検

 管理組合の運営状況もチェックしてみましょう。基本的に、管理組合の総会は年に1回以上開催していますよね。管理規約が整備されていることを前提に、表-1の取組みがありますか。



表-1 管理組合運営を点検 チェック項目

  • 理事会の継続性を維持するために、以下のような体制にしている
    ・理事の何名かが留任する
    ・理事の任期を2年とし半数交代
    ・引継ぎの書類を作成
    ・継続審議は専門委員会で対応する
    ・理事経験者で顧問会等を組織し運営を支援等
  • 所有者名簿を作成している
  • 総会の出席率は委任状を含めて80%以上である
  • 管理組合の情報を広報等で周知している。広報誌を発行している
  • 長期修繕計画を立案している
  • 修繕積立金は長期修繕計画に基づき積立てている
  • マンションの設計図書を保存している
  • 共用部分の修繕履歴を蓄積している
  • 専有部分のリフォームの履歴を蓄積している
  • 震災に備えて以下の対応を実施している
    ・地震を想定した防災訓練
    ・要支援者の把握
    ・(借家人も含んだ)居住者の名簿作成
    ・防災対策本部設置規則の制定
    ・避難経路・避難場所の確定
    ・エレベーター会社に震災時の即時対応の依頼
    ・炊き出し用具の整備
    ・備蓄品のリスト作成と確保
    ・専用の防災マニュアル作成
    ・マンション内のコミュニティ形成
    ・近隣住民とのコミュニティ形成等
  • 年に1回以上、居住者の全員参加を目指してコミュニティ活動を実施している
  • マンション内に人々が交流できるサークルや有志の集まりがある
  • 居住者名簿を定期的に見直ししている
  • 要支援者名簿を作成している
  • 居住している高齢者を把握している
  • 賃貸住戸を把握している
  • 空き室を把握している
  • 中古住宅流通円滑化のための対応をしている
    ・自分たちの管理のルールをわかりやすく説明したものを作っている等

●あなたのマンションは秀・優・良・可・不可のどれ?

 以上で、40個のチェックボックス(□)があります。おおむね6割できていないと「不可」です。あなたのマンションは体質改善が必要かもしれません。6割以上7割未満は「可」でぎりぎりセーフです。これからのためにもっと健康なマンションにしていきましょう。7割以上8割未満が「良」です。8割以上は「優」です。今のまま、健康な状態を維持していきましょう。もし、9割以上OKなら、「秀」です。他のマンションに、健康の秘訣を教えてあげましょう。
 私たちが年に1回健康診断をするように、自分たちのマンションも年に1回状況点検をしてみませんか。理事の引継ぎの際に、このチェック項目をもとに、内容を確認していくのもよいでしょう。そうすると、自分たちのマンションの強みと弱みがわかってきます。健康で、長生きするために、マンションの健康状態を知りましょう。

*このようなチェック項目を使って、私の研究室で横浜市の築30年以上のマンションを調査
 してみたところ、秀、優、良、可、不可が2割ずつになりました。あなたのマンションは
 いかがでしょうか?




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齊藤 広子 Profile
齊藤 広子
横浜市立大学国際総合科学部まちづくりコース不動産マネジメント論担当教授。工学博士、学術博士、不動産学博士。
(一社)マンション管理業協会「マンション2025ビジョン懇話会」座長

専門は住まい学、住環境管理学、 居住のための不動産学。研究テーマは、マンションの管理、住宅地の住環境マネジメント。日本マンション学会研究奨励賞、都市住宅学会論文賞、日本不動産学会業績賞、日本不動産学会著作賞、不動産協会優秀著作奨励賞、日本建築学会賞等受賞。
著書に『新・マンション管理の実務と法律』(共著・日本加除出版)、『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上がる住宅地』(学芸出版社)、『初めて学ぶ不動産学』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。