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  • 2014.10.01掲載

みんなどうしているの?【総合調査の結果を見てみよう】

明海大学不動産学部教授 齊藤広子

◆理事長のつぶやき

ペット飼育の問題、うちは飼育禁止だけれど、なんか最近、ペット飼育可のマンションもあるらしい。本当にそうかな…。ペット飼育をしたい人の情報だからな…。

そうそう、この前は修繕積立金の値上げが話題になったが、みんな絶対反対だって。もちろん、だれも嫌だと思うけれど、うちの戸当たり月額3,000円って本当に安過ぎない? 不安だな…。

そろそろ大規模修繕を考える時期がやってきたけれど、専門委員会というのを作ったほうがいいのかな? みんなどうしているんだろう…。なにか見ればわかるものってないんだろうか???

◆マンション総合調査

発表されました。5年に一度行われるマンション総合調査の結果です。全国2,324のマンションの調査結果ですから、日本のマンション管理の全体像が眺められます。もちろん、マンションの管理方法の答えは一つではありません。色々な選択肢があってよいのです。また、平均値があるから、どうしろというわけではないのです。でも、管理組合にとっては「みんなはどうしているのだろう」と気になるのではないでしょうか。何かアクションを起こそうとするその第一歩を踏み出してよいのかどうか迷っている場合に、ちょっとみんなの様子を見てみましょう。

◆マンションがかかえているトラブル

あなたのマンションでは日常的にどんな問題がありますか。「このマンションで現に発生しているトラブル(過去1年間)は次のどれに関するものですか」という質問に、あなたならどう答えますか。皆さんの回答を見てみましょう。

従来から、マンションの3大トラブルとは3Pといわれ、PET、PERSON、PARKING、つまりペット飼育の問題、近隣の音の問題、駐車場不足等の居住者間のマナーの問題が多くなっています。でも、見てください。5年前よりも「問題だ」というマンションが減っています。ペット飼育の問題、生活音の問題、そして駐車場の問題、そして駐輪場の問題等もそうです。つまり、ちゃんと対処することで、問題を予防するマンションが増えてきたということです。

例えば、ペット飼育に関しては「禁止している」マンションが47.4%、「種類やサイズ、共用部分の通行の形態等を限定し、認めている」は42.5%、「全面的に認めている」のは2.9%、「規則はない」が5.0%となっています。いわゆる条件付き飼育可は、この15年ほどに供給されたマンションでは約8割になっています。そして、こうしたルールを管理規約、使用細則で位置づけることが多くなっています。つまり、ルールをしっかりと作り、トラブルを予防しています。