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  • 2011年秋号

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(社)高層住宅管理業協会は9月17日(土)に横浜市歴史博物館において、これからのマンションと周辺地域のコミュニティの形成をテーマにしたセミナー「地域共生セミナー~これからのコミュニティを考える~」(共催:横浜市都筑区)を開催いたしました。

残暑が残る9月の連休初日、地域住民、関係者他約100人が聴講に訪れた。主催者あいさつで、黒住理事長は「東日本大震災で、地域住民とのコミュニティが盛んなマンションでは地域の方を高層階に避難させるなど、多くの人命を救助できたと聞いています。当協会では、更にマンションと地域住民のコミュニティが加速するようお手伝いをしたいと考えています」と述べた。

セミナーは最初に自治会加入率が93%という熱心な促進活動により高い加入率を誇る港北ガーデンホームズ自治会の安井正秀氏が講演を行った。

テーマは「港北ガーデンホームズ自治会と地域社会との絆」「私ども自治会の役員は1年任期の輪番制です。これが自治会の熱心で活発な活動に結びついているかと思います。活動内容は、年2回の自治会費を徴収する際に自治会未加入の世帯に対して自治会活動を紹介し暮らしの中で自治会の入会が必要であるかということを役員が説明します。新しい住民には転居後すぐの勧誘を行っております。周辺地域の住民の方とは厚生活動の夏祭りなどが親睦の場となっております。より良いマンション生活を送るためには、隣近所の顔を知る事、自治会活動に積極的に関与することが大切です」。

続いて自治会町内会への加入促進活動に取り組んでいる、横浜市都筑区の地域振興課長 新堀嘉代子氏が講演を行った。テーマは「横浜市都筑区の取組み」「都筑区は平成6年に新しい区として誕生。平均年齢38・31歳(平成22年1月1日現在)で子育て世代が多く平均居住年数が4~5年と短いため自治会加入率は、横浜市内で最も低い状況です。自治会町内会加入促進活動に積極的に取り組むようになったのは、地域のつながりの希薄化、自治会町内会の担い手不足を懸念していた際に、地域の方からも『行政として問題解決に取り組んで欲しい』とのニーズが出たからです。そこで区の毎年度、区の組織目標として揚げている区政運営方針に自治会町内会の加入促進を揚げ、自治会町内会と行政が共に協力し合って加入促進を進めています」。

最後は山梨学院大学 日高昭夫教授が講演を行った。テーマ「今後のマンションと地域コミュニティの形成について」
「町内会自治会というのは日本独特の住民の組織。日本は明治維新の過程の中で町村合併を繰返し、横浜市という街が出来るまでも大きな町村合併を繰り返してきました。町村合併は近代地方自治制度の形成と密接な関係があります。町村でご近所に住む、地縁で繋がるということは、いざという時に皆で協力をする組織を作るということ。これが自治会町内会であり日本の歴史が生み出した財産だと思います。マンション生活では、近隣の町会と情報交換しながら、マンション全体のコミュニティの一員として、住んで良かったと思えるコミュニティ形成をして頂ければ嬉しいです」と締めくくり、セミナーは盛況にて終了した。